国際障害者年以降、この松本地域においてもノーマライゼーションの理念を基に障害者運動の機運が高まりました。障害児・者の願いを実現する会など様々なソーシャルアクションの中で障害児の親たちが立ち上がり、この地域の障害福祉の基盤が作り上げられてきました。
NPO法人ケ・セラは、ダウン症児の当事者団体である“ひまわりの会”の初代会長を務めた中西博が『音楽で飯を食う』をコンセプトに2002年に任意団体としてはじまり、2006年にNPOとして法人格を取得しました。
現在は就労継続支援B型事業所を中心に様々な事業を行っています。ケ・セラ塾の利用者は”音楽活動をなりわい”とし、年間40本程度の演奏会活動に従事して工賃を得ています。主に長野県内の学校や福祉施設、企業など様々な団体で行っていますが、時には県外からも演奏会依頼をいただけるようになりました。利用者の紡ぎだす音色は音楽を再現するという意味では不十分かもしれませんが、他にはない唯一無二の音楽です。聴いていただいた方々からは多くの感動のメッセージが寄せられています。
障害福祉の原点はノーマライゼーションの理念があり、その根幹には保護者を中心とした障害者運動と親亡き後の問題があります。そして今、障害は社会の中にあるとされ、障害種別に捉われず一体的な支援の中で、障がいをもつ当事者自身が意思を決める時代になりつつあります。
2016年、ケ・セラという法人もまた新しい時代に向けて法人代表者のバトンを中西博から西村昭太が受け継ぐことになりました。
2019年5月12日、年1回の大イベントである定期演奏会が行われました。私たちケ・セラは松本市の音楽文化ホール主ホールが超満員となるお客様を迎えすることができ、法人の歴史の1ページに刻まれるできごととなりました。これは応援してくださる一人一人の方々のお力があってのことです。
私たちの果てしない挑戦はこれからも続きます。今後もご支援よろしくお願いいたします。

理事会構成
役職氏名所属
理事長西村 昭太ケ・セラ社会福祉士事務所
理事廣瀨 豊松本大学松商短期大学部
理事片桐 政勝アルプス福祉会
理事関原 尚美塩尻協立病院
理事當銘 千寿代あいさぽーと
理事清澤 秀彦梓の郷
監事藤森 友章諏訪赤十字病院

 名誉顧問       中西 博